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おもしろきことは,よきことなり。

【私的福岡・番外編(上天草)】真の天草大王は,こいつだ!

「天草大王」というものをご存じでしょうか。

 

お酒の名前でありそうですが,違います。

神社に祭られてある神様の名前でありそうですが,違います。

 

熊本県の地鶏のことです。

もともと天草地方で飼育されていた大きい鶏の品種だったそうですが,一時期絶滅してしまい,その後関係者の努力により復元され,今に至る鶏だそうです。

肉質がよくて美味しいんです。

天草地方の大きい鶏だからか,天草の名品種だからか,そんな名前がついたのかもしれません。

 

でも。

上天草への旅行で,私は見つけてしまいました。

真の「天草大王」を。

 

 

それは,天草五橋を渡ってから松島総合運動公園に行く途中,車でそれほど遠くないところにありました。

 

日曜日の午後2時過ぎ,お店の前に到着すると,入り口の門の横に大きな門番が立っていました。

保育園児の子どもからは見上げるほどの大きさです。

 

「なんだこれ?」

子どもがボコボコと触りつつ,尋ねてきます。

ああ,まだ知らないのか。

お店の名前にもなっているそいつは,ニヤニヤと来客者を見つめています。

あと一ヶ月もすれば,デパートやスーパーなどにもどこからともなく湧きだしてくるでしょう。

 

触られてふわふわと揺れるそいつを置いて,お店の中に入っていきました。

お店の中はそれほど大きくなく,入り口から目の前がレジ兼ショーウインドウで,その横にたくさんの商品が並んでいました。

 

「いらっしゃいませ」

お店のご主人とおぼしき人がカウンター越しに声をかけてきました。

 

「天草●●ください」

私は単刀直入にお店のご主人に告げました。

 

すると,

「これですけど,いいですか?」

と,ショーウインドウの下の方の商品の外箱を差して確認してきました。

それは単に注文の確認ではなく,本当にこいつを買う気があるのか,真意を確かめているように私には思えました。

 

「そうそう,それです。」

ろくに確認もせず,私はお店のご主人に告げました。

 

「どちらからお越しで?」

「福岡です」

「福岡! それはまた……」

お店のご主人は驚いて,

「それなら,ケースをご用意しないと」

後ろの方から,たいそうなケースを取り出してきました。

 

ええっ!

そんなケースがいるの?

ここでさすがの私も,ことの重大さに気づきました。

ですが,ここまできてやめるわけにはいきません。

 

「ケース代が別途かかりますが」

「全然,問題ありません」

もはや,金額のことなどどうでもよくなっていました。

 

あれ,持って帰ってどうしよう。

あれ,お店の外に止めている車で待っている妻に見せたら何て言うだろう。

ちょっと不安になりました。

 

お店のご主人がショーウインドウから取り出し,ケースに格納しました。

しっかりと蓋をして,周りをガムテープでぐるぐる巻いて,完成です。

 

「●●円になります」

言われた金額を用意し,お店のご主人に渡しました。

 

「はい,どうぞ」

レジの横からケースを渡されました。

想像を越える重さ。

 

左脇に抱えつつ,お店を出ようと,ドアのノブに手をかけたところで

「ケース,とっといてください。また使えますから」

と,お店のご主人の声。

うーん……。また,上天草に来ることがあってもこいつを買うかなあ……。

 

振り向き様に軽く会釈をしながらお店の外に出ました。

車に戻るやいなや,妻のするどい突っ込みが入りました。

「うわ,なんそれ」

ですよね~。

 

上天草にお住まいの友人から教えてもらったパンフレットで知った「こいつ」は,誌上で見るのと実際に見るのでは比べ物になりませんでした。

 

他の荷物のように後部座席におけるものではないので,後ろの荷台にどんと乗せ,福岡へ帰ることにしました。

 

 

帰る途中,夕食を食べたり温泉に入ったり寄り道したので,自宅へ帰りついたのは,午後9時過ぎでした。

荷下ろしをして,最後に家の中へ持ち込んだのはやっぱり「こいつ」。

 

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持って帰りケースから取り出したものの,冷蔵庫にいれようとするとやっぱり「こいつ」は入りません。

しょうがない。夕食も食べたけど,食べるか。

 

外箱から中身を取り出してみると,その大きさと重さに衝撃を受けました。

いくらなんでも,これをこのまま売るなんてやりすぎだ。

これこそが,真の天草「大王」じゃないか。

 

ここまで文字で綴ってきましたが,視覚で体感していただいた方がいいかもしれません。

ということで,真の天草「大王」をどうぞご覧ください。 

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「こいつ」だけではわかりにくいかもしれません。

なので,フォークと皿を一緒に並べた写真もどうぞ。ついでに左上にあるのがチョロQです。

 

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大きいです。かなりの大きさです。

上天草市松島町にある「パンプキン」で売ってある「こいつ」は,ご覧のとおりの長さで50センチくらいあります。

九州各地のロールケーキを食べてきた私も,これほどの長さのものに出会ったことがありません。

普通のロールケーキの軽く3倍あります。

これで1600円くらいなので,かなりリーズナブルです。

ケースの発泡スチロールも200円くらいで売っていましたが,この長さだと他の用途への転換はそうできそうにもありません。

 

気になるのが,味。

量より質か。質より量か。

規格外だとどうしても二元論で語ってしまいたくなりますが,心配無用です。

カステラとスフレの中間のような生地に,甘いクリーム。

長さとか抜きにして,普通に美味しいです。

冷やすとクリームの甘さがさらに引き立ちます。

 

私と妻と子ども3人で食べましたが,食べても食べても,減りません。

とりあえず,横にしたら冷蔵庫に入る長さまで食べたところでその日は終了しました。

そのあとも,結局4日間食べ続けることになりました。

 

旅路の帰りでお金がつきてしまい,費用対効果の高いお土産を望んでいる方に。

一人で腹一杯ケーキを食べたい方に。

渡す人にとりあえず驚いて欲しい方に。

「こいつ」はいかがでしょう。

 

で,何の話をしていましたっけ?

そうそう,天草大王の話でしたね。

 

それではお教えしましょう。

真の「天草大王」とは,パンプキンの「天草ロール」のことです(たぶん)。