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ZIG ZAG WALK

おもしろきことは,よきことなり。

【延岡妄想日記】森閑のペールエール

延岡妄想日記

空を見上げる。

緑の直線が一転に収束する方に,うっすらと明かりが見える。

空気はしっとりと冷たい。が,寒くなくどちらかといえば爽やかで新鮮だ。

木立の香りが立ち込める薄暗い木々の細い間を,一歩一歩進む。

ミシミシと鳴る碧色に溶け込みそうな枯葉が,踏みつける足を優しく包み込む。

右を見ても左を見ても,振り返っても,緑という緑。

葉なのか苔なのか幹なのか,もはやわからない。

小鳥や虫の澄み切ったつぶやきが,私の周りを反射してこだましては消えていく。

 

しばらく歩くと,少し開けたところに竹でできた椅子が2つ,向かい合うようにして置いてあった。

向かって左の椅子に腰掛けてみる。ぐぐっと沈み込み,ぐいぐいと前後に揺れる。

体の重心を変えながら揺らしていると,少しずつまぶたが重くなってきた。

脳裏に澄んだ空気とせせらぐ水の音が流れていく。

細まっていく瞳の向こうに,ぼんやりとした人の姿が揺れ浮かんできた。

姿が大きくなるにつれて,近づいてくる森の匂い。

揺れる濡れた髪に記憶が刺激されるが,果たして誰だったか。

思い出そうとしていたけれど,木々の甘みと苦みがくちびるに触れ喉をゆっくりと撫でていくと,どうでもよくなった。

離れた彼女の輪郭は徐々にはっきりとしてきたけれど,どうでもよくなった。

 

至福のとき。

そんな気分にさせてくれる宮崎ひでじビール

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